沖縄の生年祝い(トゥシビー)ってどんなイベント?

沖縄には、生年祝いといわれる行事があります。12年に一度めぐってくる生まれ年に行われるため、人生の中では全部で8回も行われます。沖縄ならではのちょっと変わったこのお祝いを、ピックアップしてみます。

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そもそも生年祝いとはなに?

疑問

生年祝いは、沖縄では「トゥシビー」と呼ばれています。このトゥシビーは、全部で8回あり、最初に行われるトゥシビーを十三祝い、最後に行われるトゥシビーをカジマヤーといいます。

そもそもトゥシビーが沖縄で行われるようになったのは、厄払いにありました。

年配の沖縄人に年齢を訊ねると、必ず「数えで〇歳」という答えが返ってきます。本土の出身者からすると、この「数え」という言葉が気になると思うのですが、沖縄人にとっては、とてもメジャーな単位です。

沖縄人がよく使う「数え」ですが、正しくは、「数え年」のことを言います。この数え年は、12年ごとに1度めぐってきます。これは、一年の干支と同じ周期。そのため、数え年と干支もトゥシビーには深く関係しています。

トゥシビーの本来の意味

トゥシビーは、自分が生まれた干支が12年ぶりにめぐってきた時に行います。今では、お祝いの行事としての部分が強く強調されていますが、そもそもは、厄払いという意味があります。

沖縄では、昔から自分が生まれた干支の年(生まれ年)を厄年と考えてきました。そのためトゥシビーには、全国的に行われる厄年の厄払いと同じ意味があり、災いが起きやすいといわれる年でも無事に切り抜けられるように、神さまにお願いをする日(願立て)とされてきました。

トゥシビーのタブー

ダメ!

沖縄で、厄年といわれる年に行うトゥシビー。ですから、トゥシビーの年には、お祝い事は避けるという決まりがあります。そのため、結婚式や家の新築も、この年は避けるべきといわれています。

このようなタブーも、本来のトゥシビーの意味を知っていれば、なんとなく理解できますね。

合計8回あるトゥシビーのお祝い

生年祝い

数え年の度に行われるトゥシビーですから、100歳まで長生きすれば、合計8回のトゥシビーを経験することが出来ます。

トゥシビーを行う年齢

トゥシビーを行うことが出来るのは、生まれた年の干支が12年ぶりにめぐってきた時です。

最初に行われるのは、13歳の時で、その後、25歳、37歳、49歳、61歳、73歳、85歳、97歳で行います。

トゥシビーとは別にトーカチもある!

米寿

沖縄の長寿祝いには、トーカチという行事もあります。これは、88歳を迎えた人が、旧暦の8月8日に行う長寿のお祝いなのですが、これはトゥシビーではありません。

トーカチの行事は、17世紀ごろに薩摩藩によって沖縄に伝わってきた本土のお祝いで、米寿の祝いのことを言います。この米寿のお祝いが、沖縄に伝わることによって、トーカチといわれるようになりました。

トーカチは「斗搔」のことであり、本土の米寿の祝いと同じように、斗掻が祝いの道具として使われます。

斗掻ってなに?

斗掻は、桝に米などの穀類を持った時に、縁並みになるようにならす時に使われる短い棒のことです。

米寿の祝いで斗掻を使うのは、「米寿」の由来と関係しています。

米寿の「米」という漢字を分解すると、「八十八」になります。このことから、88歳の長寿を祝うことと長寿にあやかるという意味から、斗掻が祝いの道具として使われるようになったといいます。

人生最初のトゥシビー:十三祝い

十三祝い

生まれて初めて体験するトゥシビーが、数え年で13歳の時に行う十三祝いです。

子供の成長を祝う行事といえば七五三が有名ですが、沖縄においては、七五三よりも十三祝いの方が盛大に行われます。

昔は十三祝いに晴れ着を作っていた!

十三祝いには、古くから新しい着物を作る風習がありました。これは、トゥシビーに厄を払うという意味が込められているようです。

本土でも同じように、数え年が13歳になった時に、新しい着物を作るという風習はあります。これは、十三詣り(参り)といわれています。十三詣りでは、智慧を司る虚空蔵菩薩をお参りし、それまで子供のサイズで作られていた着物から、大人用の着物の裁ち方である「本裁ち」で新たな着物を仕立てます。

沖縄の十三祝いも本土で見られる十三詣りでも、大人への仲間入りをする節目としての意味から、晴れ着を仕立てるという風習が起こったといわれているんです。

女の子は特に盛大に祝う

十三祝いは、男女ともにお祝いされるのですが、特に女の子の場合は盛大に行われます。これは、次に行われるトゥシビーが25歳であるということと関係しています。

昔の沖縄の女性は、ほとんどが早婚でした。そのため、2回目のトゥシビーを迎える頃には、すでに結婚をして実家を離れてしまっています。そのこともあって、女の子にとって十三祝いは、実家で行うことが出来る、嫁入り前最後のお祝いとなります。

そのため、昔から十三祝いは女の子の行事といわれるほど、盛大にお祝いするのです。

学校の行事でも行われる十三祝い

沖縄の小学校では、十三祝いが学校の行事としても行われます。十三祝いを迎えるのは、ちょうど小学校5年生の時。そのため、学校の行事としてみんなでお祝いをします。

地域によっては、保護者が参加するケースもあります。中には、子供からそれぞれの親に向けて感謝の手紙を披露したり、小学校での写真をスライドショーにして上映するなど、かなり感動的な演出がされます。

結婚披露宴のような超豪華な十三祝い

十三祝いでは、家族だけでお祝いしたり、記念写真を撮るなどして過ごすのが一般的ですが、中には、結婚披露宴を思わせるような豪華なパーティーを開くご家庭もあります。

こういったパーティーを行うのは、女の子の十三祝いがほとんど。結婚式場で行われる場合は、実際の花嫁のようにお色直しが行われたり、会の始まりには・・・結婚式の余興オープニングとして定番な琉球舞踊「かぎやで風」が披露されるなど、まさに結婚披露宴のようです。

エミリー

各ご家庭では、写真館で着物を着て十三祝い用の写真を撮影するという方が多いです。なので、沖縄にある写真館の殆どが「十三祝い」プランを準備しているんですよ。

人生最後のトゥシビー:カジマヤー

カジマヤー

人生で最後のトゥシビーが、数え年で97歳の時に行うカジマヤーです。人生最後のトゥシビーであり、長寿を祝うお祝いとして、地域を挙げてお祝いをすることもよくあります。

ちなみにカジマヤーとは、沖縄の方言で「風車」を意味しています。沖縄ではこの歳からは子供に返るという風に言われていたことから、子どもの玩具である風車を持ってお祝いするのです。

カジマヤーの衣装は琉球国王並みに華やか

カジマヤーの衣装は、とても華やかです。琉球着物の上から、「アカジン」と呼ばれるカジマヤー専用の打掛をかけます。この打掛には、金の糸を使っているため、遠目からでも非常に華やかです。

カジマヤーの衣装がなぜこのように華やかなのかという理由は、琉球王朝時代に由来があるといわれています。

琉球王国では、地位によって着物にも厳しく決まりがあり、もっとも位の高い国王の衣装は、非常に華やかなものが使われていました。

そんな琉球王国では、97歳を迎えることが出来たことには、神様の力が働いたからであり、その存在は神に近いものだと考えられていました。そのため、カジマヤーを迎えた人は、国王と同じような衣装を身に着けることが特別に許されたといわれています。

オープンカーでお祝いする

十三祝いが結婚披露宴並みの豪華さであれば、カジマヤーは、地域のビッグイベントといったところでしょう。

なにしろ、この日のためにオープンカーが準備され、カジマヤーを祝う大きな横断幕のほか、大量の風車やカラフルな飾りが車全体に施されます。カジマヤーの華やかな衣装を身に着けた当事者は、この派手なオープンカーに乗り込み、街中を練り歩きます。

しかも、車が出発する前には、沖縄の伝統舞踊であるエイサーが披露されたり、沿道には、街中の人が花道を作って出迎えます。

まさに、街の大スター!

このオジー・オバーの大行進を見たければ、カジマヤーが行われる旧暦の9月7日を狙って沖縄を訪れるのがおすすめです。

無病息災を祈ってトゥシビーを盛大に祝おう!

お祝儀

トゥシビーは、本来厄払いの意味を込めて行われるイベントなのですが、最近では長寿である事を祝い、これから先の健康を願って行われる事も増えてきました。

数え年97歳のおじいちゃん・おばあちゃんの元気な姿を見ると「私たちも元気に頑張らなくちゃ!」という気持ちにさせられます。

ぜひ、カジマヤーのイベントに遭遇した場合には「おめでとう」と一言、おじいちゃん・おばあちゃんへ声をかけてあげてくださいね!


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エミリー

広島から沖縄に移住してきたエミリです♪憧れの沖縄での生活を活かして沖縄の移住や文化について体験談を元にお伝え出来ればと思います。その他にも沖縄に関する様々な情報を発信していきます!