「ニライカナイ」これってどういう意味…?

ニライカナイという言葉を耳にしたことはありませんか?ニライカナイってそもそも何?と疑問に思う方も多いはず。ニライカナイは様々な伝説や言い伝えがあります。ニライカナイについて見て行きましょう!

これぞチュアル!沖縄のニライカナイとは

スピリチュアル

自然がぎゅっと詰まった、同じ日本なのにまるで異世界のような沖縄…。海や山、沖縄ならではの動植物と触れ合ったりすることができるようレジャーが人気となっていますよね。ですが、沖縄の魅力はそれだけではありません。

沖縄は実は私たちが思っている以上にとっても不思議で、とってもスピリチュアルな場所。心霊スポットなどのようなホラーではなくとても不思議で神聖な場所がとても多かったり、人々の信仰や考え方も同じように神や異世界を崇めたり信じたりという傾向が強いようです。

エミリー

その中でも、特に知られているのが「ニライカナイ」という言葉。沖縄ではニライカナイ橋という絶景スポットもありますが、本来のニライカナイという言葉の意味はとても壮大なものだったんです。

ニライカナイは死後の世界…?

異世界

ニライカナイというのは、ズバリ異世界のこと。遠い遠い東の海の彼方に、海の底、または地の底に「ニライカナイ」という異世界があるとされています。

神様がいる世界で、年始になるとニライカナイから神様がやってきて豊穣をもたらして、また年末にかえっていきます。稲や火、粟の種子などはもともとこのニライカナイからもたらされ、今につながっていると考えられています。

また人の魂はニライカナイからやってきて、亡くなったあとの死者の魂もまたニライカナイにかえっていくという考え方があります。沖縄や鹿児島県の奄美群島では、このようなニライカナイの伝統的な考え方が信仰されているんです。

琉球(沖縄)では代々、亡くなった人の魂は7代生まれ変わるとその魂が親族の守護神となってくれる…という考えが信仰されています。あの世であるニライカナイというのは、亡くなった祖先の魂が自分たちの守護神へと生まれ変わる神聖な場所ととらえられています。

エミリー

実はニライカナイは「ニライ」と「カナイ」のふたつの言葉でできています。ニライは「根の方」という意味だと言われていますが、カナイは「彼方」とも言われていますが、特に意味はない言葉かもしれないとも言われています。また、ニライカナイは「ニルヤ」「ニロー」「ニーラ」などともいわれていて、これは島や地方で呼び方が変わってくるそうですよ。

神聖な伝説、ニライカナイにまつわる沖縄創造説

沖縄本島を中心に信仰されている「琉球神道」という多神教宗教があります。

琉球王国の時代だった当時は、王国の各地でいろいろな宗教をまとめてお祭りや政(まつりごと)の体制をととのえるために整備されたもので、現在では民間の人々の間で信仰されています。

沖縄(琉球)には、たくさんの神様がいると信じられてきました。特に有名なのは、琉球を作り出したと言われている創造神のアマミキヨとシネリキヨ、君手摩(キミテズリ)、さらにニライカナイでもっとも位の高い東方大主(あがりかたうふぬし)などがいると言われています。

沖縄ではこのニライカナイをはじめ、県内にいくつもある「御嶽(うたき)」もやはり神様が住み、神様にお祈りをする神聖な場所として知られています。

御嶽

神様にまつわるものとして日本各地にたくさんの神社がありますが、沖縄では御嶽やそのほかにも霊場や拝み所(うがんしょ)、アマミキヨの伝説が残る地などさまざまな神様にまつわる場所が存在します。

実はアマミキヨのアマというのは、沖縄の方言で「あちらの場所」「遠い場所」という意味があるそうです。つまり、アマミキヨは遠いあちらの場所からやってきた、すなわちニライカナイからやってきた人だともとらえられるとか。

また、沖縄でもっとも神聖な「斎場御嶽(せーふぁうたき)」という場所がありますが、この東に久高島という島があります。実は久高島はアマミキヨがいちばん最初に降り立った場所だと言われています。

沖縄の最高聖地、斎場御嶽について

2016.10.14

琉球神道では、東の彼方にニライカナイがあるとされています。斎場御嶽があり、その東の先にアマミキヨが降り立った久高島があり、さらにその先にニライカナイがある―――。とても、壮大な伝説だと思いませんか?

久高島にはコンビニも何もありませんし、とってもきれいなビーチがたくさんありますが遊泳禁止のところも多いです。それでも久高島を訪れる人はとても多く、さらに小さな島の中には御嶽や拝み所がたくさんあります。「ウガミ(拝む)をする人はこれより奥に入らないで」という看板があったり、島の中は聖地がたくさん。

ニライカナイからやってきたアマミキヨは久高島に降り立って沖縄をつくり、さらに今でも沖縄本島にある斎場御嶽の「チョウノハナ」という拝所に降臨するとされています。アマミキヨはニライカナイからやってきて人々の声を聴き、何を思うのでしょうか…。

絶景スポットのニライカナイ橋

異世界ということで天国とよく混同されますが、一方でニライカナイを「地獄に消える」という意味ととらえられているケースもあります。

古代インドなどで使われていたサンスクリット、いわゆる梵語(ぼんご)では「niraya」という言葉が地獄だという意味ということ、さらに「kanaya」が消えるという意味のために、ニライカナイは「地獄に消える」ということなのだそう。(!)

とっても神聖で夢のある信仰だと思われているニライカナイですが、一方でこのような考え方がされていることも…。

ただ、斎場御嶽のそばには「ニライカナイ橋」という有名な橋があります。ここの景色はとってもキレイ!!

ニライカナイ橋

全長660メートルほどの橋なのですが、山の頂上にあるトンネルを抜けると橋を渡ることができ、そのときの風景が息をのむ美しさ。トンネルの上には展望台があって、車をとめて美しい景色を見ることもできます。

そんな美しい景色を見ていると、ニライカナイが地獄だなんて…と信じがたいものです。このように沖縄にはとっても不思議な、けれど確かに多くの人々に伝わっている伝説があり、今でも多くの人に信仰されているんです。

沖縄にあるニライカナイ橋の体験レビュー!展望台への行き方と景色

2017.01.21

「ニライカナイ」ってどういう意味?

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広島から沖縄に移住してきたエミリです♪憧れの沖縄での生活を活かして沖縄の移住や文化について体験談を元にお伝え出来ればと思います。その他にも沖縄に関する様々な情報を発信していきます!