続けていきたい…沖縄の「シーミー」ってどんな行事?

4月になると、沖縄の旧暦行事「シーミー」が始まります。シーミーのお墓参りは「この日に必ず行う!」と決められているわけではなく、時期や家庭によって異なるのが特徴です。 そんなシーミーは、一体どのようなイベントなのか見ていきましょう!

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中国同様に沖縄で続く「シーミー」とは?

祈り

私たちはさまざまな季節や暦を感じながら、毎日を過ごしていますよね。春夏秋冬といった季節はもちろんですが、暦のなかでも「立春」や「夏至」「秋分」や「大暑」といったさまざまな二十四節気があります。

その二十四節気のひとつである「清明(せいめい)」は、沖縄では「シーミー」と呼ばれるんです。

実は中国では清明の時期にあることを行っていて、それが日本の沖縄にも伝わって同じように今現在でも行われています。沖縄で今もつづくシーミーですが、いったいどんなことを行うのでしょうか?

「シーミー=清明祭」、いったい何なの?

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そもそも、二十四節気のひとつである「清明」というのは何なのでしょうか。

二十四節気は1月節の立春からスタートして、12月の大寒まで24つの節気があります。その5つ目が清明で、旧暦2月後半から3月前半の3月節にあたります。現在では4月5日ごろとなるため、清明の行事は4月前半頃に行われるようになりました。

万物がすがすがしく明るく、美しいころ…と言われる清明の時期。寒い冬が終わってだんだんと暖かくなるころですが、中国での清明節は祖先のお墓参りをしてお墓を掃除する、掃墓節とも呼ばれているそうです。

日本で言うお盆のようなもので、沖縄では中国と同じようにお墓の掃除・お墓参りを行うイベントのようになっています。沖縄ではこれを「シーミー」と言ったり、また地方によっては「ウシーミー(御清明)」とも呼ばれます。

親戚一同がお墓に集まる…沖縄のシーミー

シーミー

シーミーというのは、先ほども少し述べましたが先祖を供養するための行事です。

家族・親戚などとにかくたくさんの人が集まって、お墓参りやお墓の掃除を行って先祖を供養します。ここまでは親戚が大人数で行くだけのお墓参り…という印象で、お盆などと特に変わらないように感じますよね。

でも、沖縄のシーミーは掃除やお墓参りを終えると、そのお墓の前でごちそうを広げてまるでピクニック状態に!先祖の墓前で宴会が始まってしまう…というものなんです!(笑)たくさんの家族がお墓に集まって供養をし、楽しく飲んで食べる…とても素敵な習慣だと思いませんか?

自分たちの家族だけではなく親戚と一緒に大勢で行くので、近況報告など集まりの場としても家族間のつながりを深めていけるようになります。

先祖の前で、お墓をぴかぴかにしてみんなでわいわいとごちそうを食べる…。(中には100坪を超える墓庭のところもあるので、掃除はかなり大変です。)シーミーというのはぜひとも長く続けていきたい、沖縄の先祖供養の行事だったんですね。

ただ、先ほども述べましたがシーミーは4月前半に行われる行事。多くの親せきが集まるということを考えるとなかなか日程が合わないということもあるので、中にはゴールデンウィークごろに行うというところもあります。

シーミーのときに食べるものは?

重箱

さて、このシーミーのときに持っていくごちそうについて…。

沖縄のこういったときのごちそうは重箱に入れて持っていくもので、おせちのようなその料理は「御三味(ウサンミ)」とよばれます。海・天・地の食材を使った9種類のおかずがとにかくぎゅうぎゅう、びっちりと入っています。

  • 紅白かまぼこ
  • カステラかまぼこ
  • 揚げ豆腐
  • 昆布巻き
  • 皮付きの三枚肉

などなど、その家庭によっても少し違ってくるのですが、基本的にはこのような感じでいろんなものが入ります!ですから、台所を預かるお母さんやおばぁはシーミーの日は大忙し…というわけなんです。

ただ、最近ではこのように盛大にシーミーを行うことをしなくなった家庭も少なくありません。先祖のお墓をきれいにして、にぎやかにごちそうを食べるシーミーという習慣、できるだけ続けていきたいものですね。


祈り

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広島から沖縄に移住してきたエミリです♪憧れの沖縄での生活を活かして沖縄の移住や文化について体験談を元にお伝え出来ればと思います。その他にも沖縄に関する様々な情報を発信していきます!