沖縄県民が悩む仏壇・位牌継承問題!沖縄の永代供養について

沖縄では、遺骨のみが永代供養の対象ではありません。ここ数年問題となっているのが、代々長男が受け継ぐトートーメーや仏壇の香炉、遺影などの永代供養。沖縄では今、供養の現場で何が問題になっているのでしょう?

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沖縄に残る供養のタブーが問題になっている?

仏壇

沖縄では、先祖代々の霊を祭る仏壇は、直系男子が継承するのがしきたりです。

そのため、一族の長男として生まれたら、将来は一族の仏壇を引き継ぎます。でも、いくら出産率が高いといわれている沖縄でも、長男夫婦に必ず男の子が生まれるという保証はどこにもありません。

「長男がいなくたって、子供がいれば問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、沖縄では、仏壇の継承にまつわるタブーがたくさんあり、中でも女性が位牌を継承する「イナグ・グヮンス」というタブーは、最も重いタブーとされています。

沖縄では、仏壇の継承にまつわるタブーを犯すと、先祖の霊が怒り出し、子孫に不幸が訪れるという言い伝えがあります。「現代社会においてそんな非現実なことがあるわけない」と誰もが思うでしょう。

もちろん、現代を生きる沖縄の若い世代も、同じような意見が大半を占めていますが、ここでのポイントは「子孫に不幸が訪れる」ということにあるのを忘れてはいけません。

だから、この時代に先祖霊がたたるという非現実なことが起こるわけがないと思っていても、「自分の判断によって将来子供や孫に悪影響が及ばないか」と心配するのは当然の心理。しかも、沖縄ではその数が、年々増えているところに問題があるのです。

「タブーに振り回されるのは自分たちで終わりにしたい」と考える親世代

考える

沖縄の社会においても、先祖の供養の仕方や仏壇の考え方なども、人々のライフスタイルの変化に合わせて少しずつ変わりつつあります。

それでも、琉球時代よりはるか昔から、先祖崇拝を続けてきた沖縄。仏壇の歴史そのものは17世紀中ごろから始まった沖縄ですが、それ以前は、死者の霊は人々の生活に密着したところにあると考え、常に祈りとともに暮らしてきた歴史があります。

このように、沖縄の今を生きる人の中でも、最も大きな社会的変化を目の当たりにしてきたのが、団塊の世代を生きる人々です。伝統的な沖縄の風習を守ってきた世代を両親に持ちながらも、裕福な生活を手に入れるために、沖縄とは全く異なる文化や新しい価値観を受け入れなければいけなかった過去を持つ団塊の世代。

伝統と新しい価値観との板挟みにあいながらも、何とか互いのバランスを取って、その場をしのいできた苦しい経験があります。

そんな彼らが、古い伝統を守り続けてきた両親を見送り、いよいよ自らの老後について考えるようになったとき、それまで経験してきた苦労を子どもや孫の世代に押し付けたくないう気持ちを強く感じるようになります。そこで考え始めるのが、位牌の永代供養を含む仏壇の終い方です。

ただし、「供養をしたくない」という気持ちから生まれた発想ではないため、「自分たちの代まではこれまで通りの供養を続けていきたい」と思う気持ちが強いです。そのため、実際には行動に移すことができずにいる人がほとんどです。

一族だけでなく親族の仏壇を抱えている人もいる

落ち込む

もっと深刻なのが、事情があって一族以外の仏壇を抱えている人です。独身のまま長男が亡くなってしまい、やむなく分家した別の男性親族が、自分の仏壇とは別に長男一族の仏壇を抱えることになってしまったケースです。

引き受けた当事者としては、やむに已まれぬ事情があることを承知の上で引き受けているのですが、次の世代となると、事情が変わってきます。

「自分の代に問題が起これば解決できるものの、子供や孫の代で問題が起きてしまった時には困る」というのが、当事者の本音。

さらに、当事者の子ども側の心中も、かなり複雑です。実の両親やご先祖様であれば積極的に供養をしていきたいと思っていても、実際にほとんど付き合いのない親戚の仏壇の供養となれば、できればあまり関わりたくないというのが本音です。

でも、実家の仏壇は引き受けて親戚の仏壇は引き受けないというのは、倫理上問題があるように感じるはずです。

それでも、実際に仏壇を引き受ければ、責任だけでなく経済的な負担も出てきます。本音を言う事は差し控えていたとしても、子ども側もかなり複雑な心境を抱えていることは間違いないでしょう。

供養を放棄するのではなく、安心して供養をお願いするのが永代供養

指さし

墓問題が深刻化する昨今、新しい墓の形として、遺骨を永代供養するというスタイルが浸透してきています。

供養をする親族がいない場合などは、無縁仏として放置されるくらいなら、しかるべき場所で永代に供養してもらえる永代供養墓を利用したいと思うのは当然でしょうし、ニーズも年々高まっています。

でもこの考えかたは、遺骨だけに当てはまるものではありません。位牌は、先祖の霊の依代ですから、表面的には、故人名が書かれているただの木札にしか見えなかったとしても、宗教上では遺骨と同じように扱われます。

ですから、遺骨を供養するのと同じように、位牌も、将来にわたってきちんと供養をする方法を見つけておくということは、非常に大切なことなのです。

トートーメーの永代供養だからこそトラブルになりやすいこと

混乱

遺骨の永代供養をしてもらう「永代供養墓」ばかりが注目されていますが、実は沖縄では、今、ご先祖様の位牌の永代供養の相談数が急増しています。でも、ここで気を付けておきたいのは、「位牌も遺骨も1柱単位」ということです。

先ほども説明しましたが、位牌は、先祖霊の依代です。ですから、トートーメーでも、先祖の名前はそれぞれ一つの札に書き入れてあります。トートーメーそのものは1つしかなかったとしても、名前が書かれたご先祖様の数が増えれば、その人数分の依代(位牌札)があるということになります。

もう少しかみ砕いて説明すると、本土で一般的な位牌と沖縄のトートーメーは、4LDK住宅に何人で済むかの違いのようなものです。個室が4部屋あっても1人で暮らしていれば、その家の住人は1人ですよね?でも、同じ家に4人同居して入れば、その家の住人は4人です。

これを、沖縄のトートーメーに置き換えてみてください。4人入るトートーメーがあって、実際に4名分名前が書かれていれば、そのトートーメーにまつられている先祖の霊は、4柱あります。

永代供養というのは、1柱単位で受け入れますから、たとえトートーメーが1つしかなかったとしても、そこに4柱分の先祖の名前があれば、4柱の永代供養が必要になります。

この考え方が理解できていないと、トートーメーの永代供養を相談したときに、必ずトラブルになります。

永代供養する先祖霊の数だけ料金は加算されますから、一括りにトートーメーを永代供養するといっても、料金は一律にはなりません。しかも、これは遺骨の預かりではなく依代の永代供養ですから、依頼者が位牌の供養を遺骨の供養と同じように考えているかどうかが、ポイントになります。

いろいろあってもまずは相談するのがベスト

仕事

遺骨の供養とは異なり、位牌や仏壇の供養は、供養する側がどのようにその対象物を考えているのかという事が大きなポイントです。

たとえば、位牌から先祖の魂を抜いてしまえば、残った位牌そのものは、先祖の名前が書かれたただの家具になります。この状態であれば、自宅の庭で燃やして処分したとしても、そこに(宗教上では)魂は存在していませんから、何の問題もありません。

もちろん、魂を抜く供養は、お坊さんに頼むことでもできますし、その他の宗教者に頼むことでもできるでしょう。

その際に供養料としていくらかのお布施をお渡しすれば、数10~数100万円もの大金をかけて永代供養を依頼する必要もなくなります。

もちろん、このほかにも、実現性のある方法はまだまだあります。ですから、気に病む前にまずは相談してみてください。

なにしろ、沖縄には、永代供養を受け付けている寺院や霊園がたくさんあります。実際に永代供養を依頼するなら料金が発生しますが、相談をするだけであれば、どこでも無料です。

話をすることで少しでもすっきるするのであれば、どんどん相談してみてください。もしかしたら、誰かに相談することで、あなたなりの考えがまとまってくるかもしれませんよ。