たどり着くまでが大変だけど行ってみたい沖縄観光スポット

沖縄の観光スポットは、整備が進んでいるため、わりと気軽に出かけられるのが魅力。でも、よほどの気合がなければたどり着かない場所も…。そんな苦労しても行ってみたいオススメスポットを紹介します。

目次 ページガイド

サンダルでは絶対無理!伊計島の犬名河(インナガ―)

犬名河

伊計島ビーチから車で約5分。サトウキビ畑の中を海に向かって進むと、行き止まりになります。

ここが、伊計島の湧水・犬名河の入り口です。これを見てもわかる通り、犬名河と呼ばれる湧水にたどり着くには、断崖絶壁を下っていかなければいけません。

犬名河

入口を入ると、確かに急な石段が延々と下に向かって続いています。ありがたいことに、この場所には、手すりがつけられています。

そうはいっても、この急斜面はかなりきつい!とてもじゃないですが、サンダルやヒールでは、この急な坂道を下まで降りることは不可能です。

そもそもどうしてこんなところに犬名河はあるの?

犬名河

「なぜこんな急な崖の下に湧水があるの?」と思うでしょう?その疑問のヒントになるのが、犬名河の名前の由来にあります。

犬のおかげで発見された湧水だった

その昔、この付近に住んでいた島民が、崖の下から登ってくる一匹の犬を見つけました。その犬の身体は、なぜか水で濡れています。

「崖の下には海があるはずなのに、どうして水で濡れているんだ?」

不思議に思った島民は、犬が昇ってきた崖を降りることに…。すると、その崖の下には、湧水がこんこんと湧き出ていました。

犬名河

この湧水を見つけたことによって、干ばつに苦しんでいた農民たちは大喜びします。その後、この湧水のおかげで、この周辺にあった集落は無事に干ばつを乗り切ることが出来たといいます。

犬名河のおかげで発展した縄文時代の集落がある

仲原遺跡

犬名河から島の中心に向かって約300m進んだところに、縄文時代の集落跡である「仲原(なかばる)遺跡」があります。この集落の生活用水は、犬名河で確保していたと考えられています。

犬名河(インナガ―)へ向かう石段の数は150段

戦後、上水道がひかれるまでの間、永らくこの島の生活用水として使われていた犬名河。でも、この湧水をくみに行くためには、合計150段もある石段を往復しなければいけません。

かなりの急こう配の為、降りるときでも体力を奪われるのに、帰り道は、湧水を抱えて150段の石段を登らなければいけないとなると、それだけでも重労働です。そのため、この地方に伝わる琉歌には、水汲みが辛い伊計島へ嫁ぐべきか悩む女性の歌もあるほどです・・・。

メモ

犬名河

  • 住所:沖縄県うるま市与那城
  • 見学時間:自由見学

※街灯がありませんので、夜間は大変危険です

100mの急こう配!垣花樋川(カキノハナヒージャー)

垣花樋川

垣花樋川(カキノハナヒージャー)は、南城市玉城の高台にあります。昭和60年に、環境庁の全国名水百選に選ばれた垣花樋川は、現在も地域の飲料水などの生活用水のほか、この地域の農業用水としても利用されています。

スニーカーですらかなり厳しい100mの急な坂道

垣花樋川

この写真を見てもわかる通り、垣花樋川にたどり着くには、100m続く急な坂道を降りていかなければいけません。

残念ながら、垣花樋川の坂道には、手すりはありません。ひたすら足元に気を付けながら、ゆっくりと降りていくしか道がない…。これは、犬名河よりもかなりハードな道でした。

垣花樋川はパワースポットだった

垣花樋川

垣花樋川からは、神の島といわれる久高島を見ることが出来ます。そもそも久高島とは、琉球を作った神さまといわれているアマミキヨが、最初に降りた場所といわれ、「琉球最高の聖地」といわれています。

この久高島を見ることが出来る南城市玉城(旧玉城村)一帯には、昔から数多くのパワースポットがあります。世界遺産に登録された斎場御嶽は、「琉球本島最高の聖地」と呼ばれ、斎場御嶽を含む聖地巡礼が「東御廻り(あがりうまーい)」と呼ばれています。

東御廻りの周辺には、様々な御嶽や拝所があり、人々の信仰の対象とされてきました。実は、垣花樋川にも、イキガンカ―と呼ばれる場所の奥に小さな拝所があり、祈りの場所として大切にされてきました。そんな垣花樋川は、まさにパワースポットということだったのです。

実は、もっと楽に垣花樋川にたどり着く方法がある

本来は、垣花集落から100mの坂道を降りてたどるルートが一般的なのですが、こちらのルートはあまりにも厳しいので、脚力に自信のない人にはたぶん無理…。

でも、あきらめることはありません!垣花樋川には、もう一つのルートがあります。それが、クレソン畑の中を登っていくルートです。

県道137号線を斎場御嶽方面に向けて進むと、「仲村渠樋川」と書かれた案内看板があります。

これを、左折すると、左側に仲村渠公民館がある交差点があります。この交差点を右折し、さらに300mほど進むと、垣花樋川に続く農道の入り口が出てきます。あとは、この農道を登っていけば、垣花樋川に到着します。

メモ

垣花樋川

  • 住所:沖縄県南城市玉城字垣花
  • 見学時間:自由見学

※街灯がありませんので、夜間は大変危険です

絶景のためには仕方がない!勝連城跡

勝連城跡

世界遺産に登録されている沖縄県うるま市の勝連城跡。沖縄の城の中で最も古い城といわれていた勝連城跡も、絶景が見られる城の最上部にたどり着くまでは、かなり大変です。

天空の城と呼ばれた勝連城

勝連城跡
勝連城跡

勝連城跡があるのは、勝連半島の小高い山の頂です。城の最上部からは、東海岸に突き出た勝連半島を一望することが出来ます。

勝連城は難攻不落の城だった

勝連城跡 

城の最上部にたどり着くには、「四の曲輪」「三の曲輪」「二の曲輪」「一の曲輪」を順に登っていかなければいけません。しかも、この道は、くねくねと曲がりくねっており、それだけでも距離があります。

城の周囲は、琉球石灰岩が使われ、布積みと呼ばれる技法によって高く積み上げられています。現在、最上部までの道は、歩きやすいように整備されていますが、最上部に向かうほど、昔の状態のままで保存されているので、体力的にかなりきついです。

メモ

勝連城跡

  • 住所:沖縄県うるま市勝連南風原3908(勝連城跡休憩所・駐車場)
  • 見学時間:指定なし
  • 見学料:無料

※街灯がありませんので、夜間は大変危険です

住宅街にも歴史的な建造物が紛れている

勝連城跡

このように、一見普通に見える街の中にも、昔の人たちの暮らしを垣間見る事が出来ます。

今回ご紹介したスポットは、たどり着くまでは少し体力が必要ですが、たどり着いた時の達成感や、喜びは一入(ひとしお)です。ぜひ、一度足を運んでみてくださいね!