西表島の特別天然記念物「イリオモテヤマネコ」の“今”

沖縄にはイリオモテヤマネコという国の特別天然記念物に指定されている野生動物がいます。名前は全国的にも知られていますがどんな動物なのか知らないという人も多いのではないでしょうか。今回はイリオモテヤマネコの意外な生態と取り巻く現状などについてお伝えしていきます。

目次 ページガイド

西表島の固有種「イリオモテヤマネコ」

標識

イリオモテヤマネコは西表島にしか存在しない日本固有種の野生猫です。今から52年前に西表島で発見されました。

DNA鑑定によりシベリアに生息するベンガルヤマネコの亜種とみなされています。体格は飼い猫と比べると少し大きい程度。現在の生息数は西表島には100頭前後のみと推定されています。

意外!イリオモテヤマネコが生活している場所

イリオモテヤマネコの注意看板

西表島は密林が島のほとんどを占めており、確かにイリオモテヤマネコのような野生動物がすみやすそうな環境です。

しかし、イリオモテヤマネコの生活している場所はそのような奥深い山奥だけではありません。イリオモテヤマネコは、我々人間たちのすぐそばにいることがあるのです。

 

イリオモテヤマネコの狩場

山奥で他の哺乳類を捕獲したりしていそうなイメージですが、主食はねずみなどの小さな小動物に、鳥やトカゲ、カエルや昆虫類です。

これらの生物が人間が耕す畑のそばに居るため、イリオモテヤマネコたちも人間たちが暮らす近くにいることが多いのです。実際に農作業中の目撃談も多いですし、道路での目撃情報も頻繁です。

竹富町
オリビア

2017年8月現在で目撃情報が多いと聞いた道。早朝、夜と2日通ってみましたが出会えず・・・。

イリオモテヤマネコを保護する活動

既に100頭前後にまで減ってしまったイリオモテヤマネコを守るため、西表島野性生物保護センターが主導した保護活動が行われています。

保護センターでは、住民や観光客に協力を募り集計を取ることで、ヤマネコが出やすい場所をモデルロードに指定しドライバーに速度を落とすように促しています。

実際に西表島を上原港から大原港まで走行したところ、至るところでその努力のあとを目撃しました。

注意喚起
防護柵
注意喚起

ヤマネコが道路に侵入してしまわないように作られた柵は、両側に数十メートルに渡って続いています。標識なども複数張り出され、ドライバーや住民に協力を求めています。

しかし、人間の思うようには動いてくれないのが野生動物です。努力を重ねてはいますが・・・事故は絶えません。今回西表島を訪問した際も、数日前に上原港の近く乗用車との衝突事故があったばかりでした。

イリオモテヤマネコ注意の看板

保護センターの職員の方によれば、この7月28日に起きた事故では、ヤマネコの死亡は確認されていないとのことでした。

もしも、旅行中に怪我をしているヤマネコを見つけたときには、保護センターに連絡するよう呼びかけています。特に親離れしたばかりの仔猫は、分からない事も多い為、車のライトに集まる虫やカエルを夢中で追いかけて、車道に飛び出して事故に遭ってしまうことがあるのだそう。痛ましいことです。

怪我をしているイリオモテヤマネコを見つけた場合には「0980-85-5581」の電話番号までご連絡ください。

西表島野生生物保護センターに行ってみよう

旅行で滞在している間、イリオモテヤマネコの目撃情報が多いと聞いた場所へ通ってみましたが、残念ながら遭遇することはありませんでした。しかし、西表島野生生物保護センターにはイリオモテヤマネコの剥製かあると聞いたので、せっかくなので訪れることに・・・。

西表島野生生物保護センター

西表島野生生物保護センターへの入場は無料です。とても小さな施設ですが、イリオモテヤマネコの剥製をはじめ、西表島の生物や外来種が展示されています。

また、事故にあって保護されていたというイリオモテヤマネコ「よん」の細かい飼育記録などを見ることができ、想像していた以上に見応えのある内容です。剥製でお目にかかったイリオモテヤマネコは思ったより小さいながらも野生のエネルギー溢れる体つきでした。

イリオモテヤマネコ
イリオモテヤマネコ

上でも少しお話ししましたが、西表島野生生物保護センターには、島内から集まった野生動物の目撃情報を集計したボードが展示されています。

イリオモテヤマネコ目撃情報

オレンジ色の紙に書かれているのが、イリオモテヤマネコの目撃情報です。こうやって見るとイリオモテヤマネコの生息域が、人々が生活しているすぐ近くにいることがよくわかります。

イリオモテヤマネコの最大の脅威はドライバー

地図の一番上の中央部の上原港から時計回りで保護センターを目指しましたが、信号のない一本道で気を抜くとスピードを出しすぎてしまいそうです。

実際にすれ違う「わ(れ)」ナンバーのレンタカーは、気分よさげに時速60~80キロの猛スピードですれ違っていきました。また、もっとも残念だったのは西表島を案内するガイドがかなり荒っぽい運転をしている様子を多々目撃したことです。

「これでは島全体でイリオモテヤマネコを守ろうとしている努力が実るのは難しいのでは?」と感じてしまうほど・・・。野生動物が先住であり・・・我々人間はお邪魔させてもらっている立場。そのことを忘れずに西表島を訪れるべきではないでしょうか。

資料館

西表島野生生物保護センターの詳細

  • 住所:沖縄県八重山郡竹富町字古見(番地なし)
  • 電話:0980-85-5581 (ヤマネコ緊急ダイヤルも兼用)
  • 営業時間:午前10時~午後4時(要確認)
  • 定休日:毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日も休館)・祝日、6月23日(慰霊の日)、年末年始(12月29日~1月3日)
  • 入場:無料
  • URL:http://iwcc.a.la9.jp/

※土日や祝日の開館日は、お昼休み(12:00~13:00)に一時閉館します。

守らなければならない命を逆に奪ってしまっている現実

悲しむ

上でもお話ししましたが、私たち人間はお邪魔させてもらっている立場であり、野生動物が先住です。私たち人間の乱暴な運転で、イリオモテヤマネコなどの野生動物の命を絶やしてしまってはいけません。

西表島に旅行へ行かれる方・レンタカーを借りる予定がある方は、スピードの出し過ぎに注意し、野生動物の命を奪ってしまわないよう細心の注意を払うようにしましょう!


ABOUTこの記事をかいた人

オリビア

東京都に住んでおり、仕事の長期休暇を利用して、沖縄本島や離島を旅しています。体験記として、みなさまに本島や離島の魅力をご紹介していけたらと思います。