沖縄移住で自給自足はどこまでできる?

「沖縄で移住するなら、念願の自給自足で!」と考える方も多いはず。でも、このご時勢で、いったいどこまで自給自足が実現可能なのでしょう?実際に移住する前のシミュレーションとして、まずは考えてみましょう。

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インフラ未整備地域は危険

家

「南国の楽園に住むのなら、絶対海が見える場所に住む」と考えている人も多いでしょうが、ちょっと待って!その考え方は、ちょっと危険です。

移住者が海が見える場所を好んでいることは、沖縄の地主さんたちの間でもよく知られています。でも、風光明媚で絶好の場所であっても、周りに一軒も家が建っていないということは・・・そこにインフラが整備されていないということを証明していることでもあります。

特に、インフラの整備は、行政の予算が大きく関係していきます。そのため、「家を建ててしまえばあとは何とかなる」という考え方は、後から必ず後悔します。

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とりあえず、インフラだけは整っている土地を買うようにしましょう!

もしも電気が通っていなかったら・・・

陸路で本土とつながっていない沖縄県は、新聞や雑誌などの印刷物は、発売日当日に店頭に並ばないこともよくあります。そのため、情報収集に欠かせないのが、インターネットです。

ところが、もしも電気が通っていなかったら、肝心の電化製品はすべて機能しません。特に、団塊世代の移住者の場合、安全のために、移住をきっかけにオール電化に切り替える人も多いのですが、これも、電気が通っていなければ何一つ使えません。

もしも道路が舗装されていなかったら・・・

車社会の沖縄では、普段の買い物をするにも、自家用車がなければままなりません。

梅雨時期になれば、スコールによって周辺道路はぬかるんでしまいますから、タイヤが泥濘にはまってしまい、脱出できなくなってしまうこともよくあります。

周りに人が住んでいないような場所で、タイヤがぬかるみにハマってしまった場合・・・ご近所さんに助けを求めるという事もできません。

自給自足で野菜はどこまで確保できるか

野菜

とりあえず、畑を確保し自給自足生活を始めるには、手っ取り早く野菜を栽培するのが一番です。

初心者でも比較的失敗せずに栽培できる沖縄の島野菜

沖縄は、本土と気候が違うので、種をまく時期を間違えると大変なことになりますが、時期さえ間違えなければ、こんな野菜なら比較的簡単に栽培できます。

ゴーヤ
ゴーヤ初心者は、苗から始めるのがおすすめです。もしも種からはじめたいのであれば、4月上旬から種まきを始めます。無難に苗からはじめる場合は4月下旬から5月中に植えつければ、7月中旬から10月初旬にかけて収穫ができます。初心者でも手軽に栽培ができ、収穫期間が約2ヶ月続きますから、自給自足生活のスタートには欠かせません。
ヘチマ
ヘチマの収穫シーズンは7~9月なのですが、暴風ネットなどを活用すれば、1年中栽培することもできるようになります。しかも、収穫期間が4~6ヶ月続きますから、自給自足に大活躍する食材になります。
島オクラ
島オクラでは、角オクラと丸オクラがありますが、沖縄では一般的に丸オクラのほうがよく栽培されます。しかも、丸オクラの方が角オクラよりも一回りくらい大きいサイズになるので、ボリューム満点のオクラ料理が食べられます。
小ねぎ
沖縄そばやヒラヤーチ、ソーミンタシヤ(ソーメンチャンプル)など、沖縄料理にはなくてはならない小ねぎは、いつでも種まきができ、収穫も安定しているので、必ずチャレンジしましょう。

自給自足を支える家庭菜園の野菜

自給自足となると、家庭菜園の野菜も、ある程度種類がなければ大変です。そこで、とりあえずボリュームのあるおかずが作れる島野菜にチャレンジするのがおすすめです。

モーウイ(沖縄赤毛瓜)
暑さにも害虫にも強く、がんばれば初心者でもチャレンジできるのがモーウイです。種付け時期は3月初旬から8月初旬で、収穫は、早ければ4月下旬から始められ、12月初旬までは安定して収穫できます。
冬瓜
こちらも、沖縄料理には定番です。スープにも肉料理にも、煮物にも使えますから、ぜひチャレンジしたいですね。収穫期間は約6ヶ月と長いのも、おすすめポイントです。
つるなしエンサイ
空芯菜のことです。中華料理では定番のこの野菜も、沖縄ではよく食べられています。油と相性のよい野菜なので、畑にあれば、どんな料理にもアレンジがききます。基本的に暑さに強いため、夏場の葉野菜として重宝されています。
島インゲン
暑さに強い沖縄の島インゲンは、夏を避ければほぼ一年中種付けも収穫もできます。沖縄のてんぷらに欠かせない食材なので、これもチャレンジしがいがあります。

自給自足で魚はどこまで確保できるか

釣り

野菜だけでは、いくらなんでも自給自足の生活は寂しすぎます。せっかく海に囲まれた沖縄にいるのですから、目の前の海の恵みをいただけるようになりましょう。

堤防釣りのポイントの近くなら沖縄で魚も自給自足はできる

沖縄では、防波堤でおこなう釣りがとても人気です。オススメの場所をご紹介します。

奥武漁港
小さな橋を渡ると漁業で有名な奥武漁港があります。いついっても、釣竿をたらしている人の姿を見かけます。ガーラ(オニヒラアジ)やガクガク(ホシミゾイサキ)などが釣れます。
与根漁港
豊見城市にある漁港です。タマン(ハマフエフキ)やカーエー(ゴマアイゴ)がヒットします。
湊川漁港
ここも、釣り人に人気のポイントです。カーエーやチン(ミナミクロダイ)、タマン、ガーラなどが釣れます。
宇堅ビーチ
ウキ釣りでチンやグルクマ、タマン、サヨリなどが釣れます。
泡瀬漁港
秋から冬にかけてチンがよくつれるポイントなので、休日になると家族で釣りに来る人の姿も見られます。ほかにもミーバイ(ヤミハタ)やタチウオも釣れます。ただし、場所によっては釣り禁止区域もあります。

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2017.05.18

自給自足での生活はご近所さんとの助け合いは必要不可欠

キャベツ

「ロハスでおしゃれな自給自足」をイメージしていると、沖縄であっても実現は難しいですが、地域の人と仲良くなって、地元の行事にも参加して、積極的に沖縄を楽しもうとすれば、意外と自給自足は実現します。

何しろ、昔から「ゆいまーる」(相互扶助)の精神が根付いている沖縄では、自宅で育てている農作物をお裾分けしたり、物々交換する事も多いんです。だから、ユイマールの精神さえ理解できれば、自給自足も不可能じゃない!

夢の実現のためにも、まずは、ご近所さんプラス10人のお友達作りからはじめましょう。なにしろ、これこそが、自給自足実現の近道なのです!


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