販売されている豆腐が温かい!?沖縄の島豆腐事情

島豆腐は、沖縄で昔から食べられてきた伝統の豆腐です。実際には沖縄以外で作られていないので、味や食感の想像がつかないかもしれませんが、同じように硬さのある木綿豆腐とも違う、こんな特徴があります。

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島豆腐は本土の豆腐と全く違う

豆腐

沖縄の島豆腐は、本土の豆腐屋さんで販売されている豆腐と、明らかに違うところがあります。それは、見るだけでなく・・・触ってみるとよくわかります。どのような違いがあるのか見ていきましょう。

とりあえずでかい

島豆腐は、沖縄の食を支える代表的な食材の一つです。

そのため、県内各地には、地域に根付いた豆腐屋があり、大抵のウチナンチュなら、好みの豆腐屋があります。ですから、パック詰めされている島豆腐もありますが、お値段は高くても必ずお気に入りの豆腐屋のものを購入するという人も少なく在りません。

ちなみに、島豆腐は、一丁の大きさがとんでもなくでかい!なんと、本土の豆腐の大きさの約3倍もあり、1丁丸ごとお買い上げとなると、その重量は1㎏にもなります。

ところが、この大きさであっても、ウチナンチュにとっては別に大きいとは思わないのが常識。1㎏もする豆腐を、何事もないような顔をしてかごに放り込むウチナー主婦の姿もよく見かけます。

まぁ・・・さすがにこの大きさを常時1日で使い切るのは難しいですから、一般的な家庭では、この半分にあたる半丁(500g)で購入していきます。

なぜか温かい

本土で一般的にみられる豆腐屋では、冷水に浸かった状態の豆腐の姿をよく見かけるはずです。ですから、豆腐といえば、基本的に冷たく冷えたものです。

ところが、島豆腐の場合は、購入する際に必ず主婦は手に取って豆腐の温度を確かめます。

何しろ、島豆腐は冷たくなるほど人気が落ちます。そのため、スーパーでも、島豆腐の売り場に行くと、必ず入荷予定時間がかかれています。出来立ての島豆腐が店に到着すると、店内放送が入り、「あちこーこーの(温かい)島豆腐が入荷しましたよ~」とご丁寧にアナウンスが入るお店もあるほど!

豆腐

でも、なぜウチナンチュはあちこーこー豆腐をこれほどまでに熱愛するのでしょう?たしかに、なぜかといわれても困るのですが、はっきりとDNAがそう訴えているのです。

まあ、島豆腐は、昔は各家庭で作られていましたし、その当時は、やはり出来立ての温かい状態のまま、食卓に上っていました。そのため、この名残りが今でも続いているといわれています。

全く形が崩れない

沖縄の島豆腐は、本土の豆腐作りと大きく違うところがあります。

それは、水分が少ないこと!そのため、通常島豆腐は、ビニール袋に入れられた状態で店頭に並んでいるのですが、形が崩れることは全くありません。

島豆腐は、木綿豆腐に比べて栄養価が高い!

ざはとーふ

島豆腐と木綿豆腐の違いは、これだけではありません。実は、その製造方法にも違いがあるのです。

島豆腐は「生搾り製法」

生搾りときくだけで、なんだか栄養が高そうな感じがしますよね?実は、それって勘違いではないのです。

島豆腐は、本土の豆腐作りと全く違った「生搾り製法」で作られます。本土の豆腐の場合は、原料となる大豆を軟らかく煮た後に、絞り出して作ります。これに対し、島豆腐は、砕いた大豆をそのまま絞り出し、これを煮ることによってつくっていきます。

ですから、大豆の持つ栄養がぎゅっと濃縮された状態になっています。

栄養素を比べても違いがでる

島豆腐の栄養価がいかに高いかを調べるには、本土の豆腐の栄養価と比較してみると一目瞭然です。

まず、島豆腐は、本土の豆腐と比べても、水分が5%近く少ないのが特徴です。そのため、エネルギーは本土の豆腐の約1.5倍にもなります。しかも、他の食材と比べると高タンパク質な食材として注目されている本土の豆腐よりも、なんと1.4倍も高い!

さらに、大豆の栄養を直接搾り取って作るため、ナトリウムやカルシウム、リン、鉄、ビタミンB1、B2も多く含まれています。昔から食欲が落ちた時によく食べられていた島豆腐は、その高い栄養成分にも理由があったというわけです。

あちこーこーの歴史が一時途絶えてしまった島豆腐

日本国旗

温かい状態のまま販売されるのが当たり前の島豆腐ですが、かつて、この販売スタイルが中断した時期があります。そこには、沖縄がたどってきた本土復帰の歴史と深く関係があるのです。

本土復帰によって販売中止となった島豆腐

沖縄は、昭和47年に本土復帰を果たしました。これによって、県内では様々なものに大きな変化が起きました。その一つが島豆腐の販売でした。

もともと、温かい状態で販売されてきた島豆腐ですが、復帰によって県内でも食品衛生法が施行されるようになります。ところが、この時施行されることになった食品衛生法では、豆腐の販売は水にさらして販売することが義務付けられていました。

そのため、本土復帰以降、県内で島豆腐を温かいまま販売することが出来なくなってしまいました。ところが、これに反発したのが、長い間温かい島豆腐に慣れ親しんできた島豆腐の製造組合と消費者です。

「なんとかあちこーこーの島豆腐をもう一度食卓へ!」と、皆が一丸となって国に陳情した結果、販売中止から2年後の昭和49年、特例として再び温かい島豆腐が食卓へと戻ってくることが出来たのです。

いまでは沖縄の島豆腐が日本全国へ

豆腐

食べごたえがあり、味も濃厚な沖縄の島豆腐は、県外への出荷量も順調にのびており、いまや、沖縄を代表する島野菜のゴーヤーとともに、夏バテ対策の最強レシピとして日本全国で定着しています。

ただ、残念なのは、島豆腐の本来のおいしさである「あちこーこー豆腐」の魅力が伝わらない事!

ぜひ、本物のあちこーこー豆腐の魅力が日本全国に伝わる日が来ることを、期待したいと思っています。