思い出深い場所・・・那覇市民会館が休館へ。

「那覇市民会館」と聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?ファミリー劇場を見に行ったり・・・コンサート・学校の合唱コンクールを行うなど楽しい思い出が多く思い出されるのではないでしょうか?そんな那覇市民会館が2016年10月13日をもって無期限の休館となりました。その理由や、今後の動きをまとめてみたいと思います。

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那覇市民会館が無期限の休館へ・・・

思い出深い場所・・・那覇市民会館が休館へ。

沖縄とともに時を刻んできた那覇市民会館が、無期限で休館することが決定しました。多くの沖縄県民が馴染みのある場所なので、寂しく感じる方も多いのではないでしょうか?

沖縄の歴史とともに歩んできた那覇市民会館、なぜ休館することになってしまったのでしょうか。また、休館中の那覇市民会館はどうなってしまうのでしょうか?

那覇市民会館って?

那覇市民会館

アメリカ統治下だった1970年に那覇市寄宮に建設された那覇市民会館。1970年の建設から46年が経ちました。

大ホール・中ホール、会議室とその附帯施設からなる多目的ホールです。大ホールの収容人数は、1668人、中ホールは800以下の集会・展示会・講習会などの会場に利用されていました。

クロエ

那覇市民会館は1972年、沖縄返還の際には返還式典の会場にもなった歴史深い場所なんですよ。

大ホールではライブ、演劇やお笑い、クラッシック、卒入学式などのイベントの会場にも使用されていました。最近で言うと、T.M.Revolutionさんがデビュー20周年記念ライブを那覇市民会館で行っていました。

毎年行われる沖縄明治ファミリー劇場が行われるのも、ここ那覇会場ですよね!ファミリー劇場を観劇したことのあるご家族は、ママやパパ、お子さんもこの那覇市民会館に馴染み深いのではないでしょうか。

中ホールでは、市営住宅の申し込み会場に設定されていたり、市民税・県民税申告会場にもなっていたので、演劇鑑賞以外でも訪れる事の多かった場所ではないでしょうか。

無期限の休館、その後に関して・・・

劇場

なぜ、那覇市民会館が無期限の休館を発表したかという事ですが、那覇市民会館は国の耐震基準を満たしておらず、万が一大地震などが起きてしまった場合、倒壊してしまう恐れがあることが判明しました。

3月3日から9月30日までに実施した耐震診断で、1階部分の値が最も低く、震度6以上の地震が起きてしまった場合、倒壊する可能性が極めて高いという結果が出てしまったそうなんです。

コンクリート片の落下が多数発生していたり、鉄筋の腐食が進んでいたりと建物の耐久性が確保できないとして、2016年の10月13日をもって無期限休館することになってしまいました。

那覇市民会館の移設場所は既に決定している

那覇市民会館は、2018年に旧久茂地小跡地に建設する予定の施設に移設することが決定しています。その中で、建物の保存を求める声や、取り壊した跡地に市役所真和志支所を建設するよう求める声が上がっていますが、那覇市は年内にも耐震補強にかかる予算や期間を算出し、取り壊すか断続利用するかを決めることになっているそうなんです。

クロエ

新しく建設が決まっている新那覇市民会館は、元の建物よりも席数が約500席増え、1800席程度になる予定なのだそうです。

那覇市民会館は沖縄復帰後、返還式典の会場になった場所でもあり戦後の沖縄文化で重要な役割を担ってきた場所です。

あまり知られていないようですが、近代建築物の保存を進める国際組織ドコモモからも2006年にDOCOMOMO JAPAN選定され、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」の認定を受けているんですよ!実は建造物としても高い評価を受けている場所だったんです。

DOCOMOMO JAPAN(ドコモモジャパン)って何?

DOCOMOMO JAPANとは、「Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement」を略してDOCOMOMO と呼んでいます。

DOCOMOMOは、20世紀の建築における重要な役割を担った建築物の歴史的・文化的重要性を認識し、その成果を記録するとともに、それにかかわる現存建物・環境の保存を訴えるための国際学術組織なんです。1988年に設立され、本部は現在フランスのパリにあります。日本支社の設立は1998年と・・・まだ歴史は浅いですが、シンポジウムやセミナーを積極的に行っています。

沢山の思い出が詰まっている旧・那覇市民会館

演劇

那覇市民会館は耐震基準を下回っていることから無期限休館になりましたが、沖縄と共に歴史を刻んできた貴重な建物「那覇市民会館」。

筆者自身も小さいころから、ミュージカルやコンサート、学校の入学式まで・・・本当に色々なことでお世話になってきた会館とあって・・・もう立ち入れない・もしかしたら取り壊されて無くなってしまうかもしれない・・・と考えると切なくなってしまいます。

クロエ

筆者としては、DOCOMOMO JAPAN選定「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」の認定を受けているので、取り壊さずに保存できれば・・・と心から願っています。


思い出深い場所・・・那覇市民会館が休館へ。